うまくなるラップのやり方⑧過去の歴史の偉大さ
うまくなるラップのやり方⑧過去の歴史の偉大さ
前の記事で
「意外性」というのは、
つまり「過去を超える」ということである
と書いた。
しかしこう書くと
「俺は今までにないラップをする。だから昔のラップなんか聞かないし全部我流でやる。」
と大きく勘違いする人がいる。
断言しよう。
それは大きな間違いである
今回の記事ではその理由とともに、過去を知ることの意味を書いていく。
昔のラップを聞かない=過去を学ばない、ことがなぜ間違いなのか。
それは
「過去を知らなければ過去は超えようがない」
からである。
過去を知らない人。それは、ただ無茶苦茶やっているだけだ。
これは歌舞伎でも言われることである。型破りという言葉がある。それは型というものを理解している人間が初めて型を破れるのである。
ここでいう型とは、昔から受け継がれてきた伝統の形のこと。つまり過去である。
この型を知らないものは歌舞伎では形無しと言われる。
また「過去を超える」ことが重要と書いたが、それは「過去には価値がない」ということではない。
過去の歴史。
それは決して侮ってはいけない。
自分一人では想像も及ばないほど数多くのの先人たちが時間を費やし得てきた情報の集積である。
考えてみてほしい。
過去の歴史や知識を一切学んでいない人間はどんなものだろうか?
まず言葉がない。
先祖が何万年もかけて発明した素晴らしい言葉という道具を、たかが100年の自分の人生で作り上げることができるだろうか?
言葉だけではない。
文字、暦、農業、計算、科学、機械…
もうお分かりだろう。
先人の膨大な歴史を引き継いでいるからこそ、今の人間の文明があるのだ。
過去を学ぶということで人間は前世代より発展してきたのだ。
「芸術 科学 経済に政治も
ウン千年かけて拡げたレンジ
ナメたらアカン その蓄積を
ナメたらアカン 薀蓄や説教」
ー宇多丸
過去を学ぶ。
それは自分一人では到達できない「過去の歴史」という圧倒的な知識の集積から教えを受けることである。
しかし、過去の繰り返しだけではつまらないものしかできない。
そこでやっと、過去を超えるという発想が必要になってくるのだ。
つまり過去を超えるラップの第一歩は「過去を知る」ということなのである
これは最初の方でうまくなるラップの第一歩は「ラップを知る」ことと書いたことにつながってくる。
「過去を知り、過去を超える。」
こうして人間は進化してきたのだ。