うまくなるラップのやり方13「過去の自分に縛られない」
うまくなるラップのやり方13「過去の自分に縛られない」
良いラップとは「過去を超えるラップ」
それをするためには様々なことをやり、今までにない組み合わせを生み出すことが大切だと書いた。
今回はその様々なことをやるにあたって注意することを書いていこうと思う。
ラップしか聞かない人のラップはつまらないという風に説明したと思う
それは組み合わせの元になる素材が似通っているから、過去と似ているものしかできないからだ
では例えばラップ以外の音楽も聞こうとした時、自分はどのようにやることを選んでいるだろうか
「昔アニメの曲が好きだったからアニソン聴くか」
「昔バンドやったからロックを聴くか」
そう。
選ぶ基準というのは過去が元になっているのだ。
過去自分が経験した、もしくは馴染みのあるものに触れようとするのだ。
それは人間の本能なのである。
心理学的には「コンフォートゾーン」という。
なぜそんな本能があるのかというと簡単だ。
昔、自分たちの先祖が狩りをして暮らしていた時代を想像してほしい。
目の前に2つの森(狩場)がある。
一つは前からずっと狩りをしてる森(馴染みのある場所=コンフォートゾーン)
もう一つは行ったことのない森(未経験の場所)
ずっと狩りをしてる森については詳しいので危険が少ない。しかし行ったことのない森は猛獣がたくさんいて死ぬかもしれない。
つまりすでに馴染みのある安全な場所を好むものが生き残り、それが本能として俺たちにも受け継がれているのだ。
しかしここで考えてみてほしい。
今してるのはラップの話だ。
別に馴染みのない音楽を聴いても命の危険はない。
むしろ良いラップをするためには聞いたほうがいい。
しかし「コンフォートゾーン」の本能から、過去に聞いたことある音楽を選択しようとするのだ。
これはもったいない。
自分のラッパーとしての可能性を狭めているのだ。
言い換えると過去の世界にしか生きていない。過去の繰り返しの人生を送っているのだ。
世界は広い。自分が知らないものが本当にたくさんある。
にもかかわらず自分の過去に縛られて選択しているなんてもったいなくないか?
ならどうすればいいか。
簡単である
自分が全く聞いたことのない、もしくは避けている音楽をあえて聴くのだ。
最初はすごい抵抗があると思う。
「何なんこれ?」「全然いいと思わん」と。
しかしそれは馴染みがないから、つまり慣れていないからである。
ずっと聴いていくうちに「これなんかええやん」と思える曲やアーティストに出会えるはずだ
すると自分の世界が広がる。
さらにその広がって得た知識が過去を超えるラップに役に立つのだ。
避けていること、やったことないことをあえてやってみよう。
未経験のものに慣れ、自分が変化していく感覚は味わっていくと病みつきになる。それは自分の世界が広がっている快感なのだ。