書を読んでクラブに行こう 玉井幸助(タマイコウスケ)公式ブログ

ラッパー/トラックメイカーの玉井幸助(タマイコウスケ)の公式ブログ。

うまくなるラップのやり方①「ラップとは何か」

 

まずはゴールを作ること。

ゴールとは「こういうラッパーになりたい」「こういう曲を作りたい」という目標である。

 

なぜゴールを作るかというと、人間は目的に向かっていく生物だからだ。

小学校の頃自由研究で悩んだ覚えはないだろうか?

「自由研究て何したらええの?」

しかし「平等院について調べなさい」と具体的に言われると

「じゃあ平等院の歴史をネットで調べよう」「実際に行ってみよう」とやることがわかってくる。

目的が具体的になるほどやることが明確になり行動に移れるのだ。

 

しかしラップ初心者にいきなりゴールを作れと言っても難しいと思う

 

せいぜい

「ラップうまくなりたい」

「ラッパーの〇〇みたいになりたい」

 

みたいなふわふわしたものが関の山だ。

 

しかしそれはしょうがないのだ。俺も始めたての頃は同じであった。

漠然と「うまくなりたい」という思いと、当時好きだったラッパーの環ROYと鎮座ドープネスのようなフローができるラッパーになりたい、みたいなことを考えていた。

 

それは当然だ。なぜかというとラップについて何も知らないからだ。

 

ピザしか食べたことがない料理人が「どんなイタリアンシェフになりたい?」と聞かれても「美味しい料理作れるイタリアンシェフ!」とか「〇〇なピザが作れるイタリアン、、、」と答えるように。

 

人間は持っている知識からでしか判断ができない。

ラップというものを全く知らない人間に「どんなラッパーを目指すか」とゴールを聞いても答えようがないのだ

 

ではどうすればいいのか。

 

答えは簡単。知らないのなら知ればいいのである。

 

 

なので最初のステップはまず「ラップを知る」ことである。

 

この知るためには3つの方法がある

ラップを聞く

ラップを真似る

ラップをやる

 

まずは聞くについて話していこう

 

これはラップ好きの人は言わずもがなやってることだと思う。

「ラップ聞かないけどラップうまくなりたいです!」という人は少ないだろう。

 

そういう人がいるなら是非聞いてみるべきだ。

今ならyouthapple musicで一生かけても聞けないほどの音楽がある。

日本語ラップ代表曲」みたいなプレイリストがあるだろうからそれをまず聞いて、いいと思ったものをアルバム単位で聞いてみればいい

 

すでに聞いてる人には「今まで聞いたことない年代・スタイルのラップを聴いてみる」ということをお勧めする。

 

2016年現在。日本語のラップだけでもかなりの種類・数のラッパーがおり、一部のラップしか聞かないという人も多いと思う。

 

自分が好きな雰囲気とはちがうラップや音楽を聴くのは、最初は抵抗があるものだ。

 

しかしそれは「俺はイタリアンシェフになりたいけどピザが好きだからピザしか食わん!」と言ってるようなものだ。

 

何事も慣れである。最初は抵抗があったラップを聴いていくうちに馴染んできて、「このラッパーはこういうところが面白いな」と様々な発見があると思う。

 

知り合いのラッパーは、キングギドラから聴き始めリップスラムとかはダサいという洗脳を楽曲(「公開処刑」)で受けたため毛嫌いしていたが、しばらくして耳にしたリップの曲のレベルの高さに衝撃を受けて一気に好きになった、という話を聞いたことがある。

 

そうやって聴きまくっているうちに自然とラップの構成要素が見えてくると思う

 

このラッパーはリズム感がいい。。。

こいつは歌詞が面白い

こいつは声にインパクトがある

 

といた具合にラップにはどういう魅力があるのかが自然とわかってくる

 

そこで「俺はこういうラップをしているラッパーになりたい」というのが見えてくると思う

 

誰かのモノマネでないゴールが見えてくると思うのだ

 

 

うまくなるラップのやり方

今年で26歳。

もうラップを始めて10年近く経つ。

 

 

高1の時に見よう見まねでラップを書き始めたのが最初だから、ラップとは結構長い付き合いになっている。

 

思えば、始めたての頃は右も左もわからなかった。当然だが。

 

 

「ライム?韻?母音を合わせたらええの?」

「フロー?...どういう意味?」

「ビート?トラック?どう違うの?(←ほとんど違わない)」

 

 

今考えればどうでもいいことで悩んでいた。

今の始めたてのヘッズがそうであるように、雑誌やインターネット(ウィキペディア見まくった)で情報収集したものである。

 

 

その後ラップから離れた時期(1年ぐらい)もあった。

紆余曲折を経て

 

「ラップ、音楽は最高の遊びやな」

 

と改めて思う。

 

 

同時に周りを見渡せばラップから離れていったやつもいる。

別にそれ自体は悪いことではない。他にやりたいことが見つかることは素晴らしいことである。

mummy-dも「ヒーロー」「changes」でそのことを歌ってる)

 

 

しかしラップが嫌いでないのに辞めていったやつらがいる。

 

 

理由は様々であると思うが

「うまくならない」「結果が出ない」「周りから良いと言われない」

というものがあるはずだ。

 

なので

「こんなこと続けていても意味がない」「ラップなんてくだらない」となり

最終的にラップから離れてしまう。

 

過去の俺が正しくそうだった。

大学に入ったが馴染めなさから不登校になり、半引きこもりになった。軽いうつ病だったと思う。

そんな中一人ですがるように曲を作っていた。

しかし上述のような思考に陥り、最終的には

「俺にはラップが合ってないんや」

と結論付けてラップから距離を置いていた。

 

 

ヒップホップに魅かれる人種は「自尊心(俺はすごいやつ!という気持ち)」が大きい傾向があると思う。

ゆえに自分の自尊心と今の結果のギャップに耐えられなくなり

「俺は才能がない」「俺には向いていない」「俺はラップ好きじゃない」と自分を正当化するのだと思う。

 

 

もったいなっ!

数多ある音楽の中からラップ選んで聞いてるやつが嫌いなわけないやん!

才能なんて何をもって才能っていうねん!

 

 

 

才能がないから結果が出ないのではないのだ。

 

 

「うまくなるラップのやり方」をしらないから結果が出ないだけなのだ。

 

ラップから離れた当時の自分がこの方法論を知っていたら、中断せず楽しんでラップを続けていたと思う。

何より「苦しみながらラップをする、曲を作る」というあの謎の精神状態を味合わずに済んだと思うのだ。

 

 

 

このブログではそんな、

 

過去の俺のようなやつがもっと楽しんでラップを続けられるように、

そしてラップを始めてみようという人の良い入門論となるように、

また現役ラッパーへのラップ方法論となるように、

 

記事を書いていく。

 

 

みんながラップを音楽を楽しんでやれるようになれば最高である。