書を読んでクラブに行こう 玉井幸助(タマイコウスケ)公式ブログ

ラッパー/トラックメイカーの玉井幸助(タマイコウスケ)の公式ブログ。

舐達摩っぽい日本語ラップのトラックの作り方 GOOD DAY


GOOD DAY / 舐達摩 っぽいトラックの作り方 日本語ラップのトラックメイク

このラッパーの曲みたいなトラックが作りたい…
あのかっこいい曲みたいなトラックが作りたい…
 
プロの曲のようなトラックを作りたい。
そう思うのはトラックメイカーなら当然。
 
だけど、
 
俺には機材がないから、無理か…
トラックメイク初心者やから、無理…
 
いや、大丈夫です!
実は、曲作りの重要なポイントを抑えるだけで、プロの曲っぽいトラックは簡単に作れる。
そのポイントを解説しながら、実際にトラックを作っていく。
  • それが、○○っぽい曲の作り方シリーズ。
 
 
今回作るのは舐達摩の「GOOD DAY」
この曲のポイントは、
 
・「波で考える」ドラム
・おしゃれな上ネタ
 
じゃあ作っていこう。
 

曲の全体図

まず最初に曲の全体図
 
・ドラム
・ベース
・上ネタ
 
 
で完成。
この曲はすごいシンプル。
それだけに、ドラムが絶妙に心地よいループになってたり、上ネタがおしゃれやったりする部分で魅力をだしてる。
 
だいたいサンプリングを使ってる曲の構成はこんな感じ。
 
じゃあ各パートを作っていこう。
 

「波で考える」ドラム

まずドラム。
 
この曲のドラムは特徴がたくさんある。
 
・2小節目でスネアが指ぱっちんの音に変わる
・3小節のキックの2個目がない
ハイハットの速さが3段階で変化する…
 
こういう細かいことを言っていたらキリがない。
 
この曲のドラムみたいに、心地よいドラムを作るにはどうすれば…?
 
それは「波」で考えると、簡単に作れる。
波というのは、水を揺らすと出てくるあれ。
「波」で考えるというのは、「相反する2つの要素が交互に出てくる」ということ。
 
・押し⇄引き
・たくさん⇄少なく
・うるさい⇄静かに
 
のように考えるということ。
 
ドラムでいうと…
最初の方に密なドラム(音がたくさんある)やったら、
後半の方で疎なドラム(音が少ない)にしてみる。
 
ということ。
 
すると、リスナーはどう思うか?
今までドラムの音が多かったのが急に少なくなる。
「あれ?」と思う。
 
逆に小節のラストでは、逆に音を多くしてみる。
急に音が多くなったので「うわっ!」とびっくりする。
 
つまり、リスナーが驚くポイントが増える。
 
波のように、「音がたくさん⇄少ない」を繰り返すと、リスナーがトラックに惹きつけられるポイントをたくさん作れる
 
これが「波」で考えるということ。
 
この考え方でドラムを作っていくと心地よいドラムが作れる。
この曲の詳しいドラムパターン知りたい人は下記。

f:id:tamaikosuke-rap:20200408181855p:plain

またハイハットも「波」の考え方で理解できる。
違う速さのハイハットを3つ用意し
 
普通→速い→普通→ちょっと速い→速い
 
というように繰り返す。
普通から速くなったり、速いのが普通に戻ったり、まるで波みたいやんね。
 
このトラックは1/8、1/12、1/16の速さを波のように繰り返す。

f:id:tamaikosuke-rap:20200408181848p:plain

はい、ドラム完成!

 

おしゃれな上ネタ

次に上ネタ。
この曲の上ネタは「サンプリング」。
けど、著作権が面倒くさいので、今回は弾く。
(もし「サンプリング」で曲を作りたい人は、この曲みたいなおしゃれなサンプルを選ぼう。)
 
この曲のキーはE。
 
コードは、
 
E6
C♯7
A7

f:id:tamaikosuke-rap:20200408182035p:plain

7コードなってるのがおしゃれ。
 
これにピアノを足して上ネタ完成。
 
そしてこの上ネタにはバリエーションがある。
「普通バージョン」と「音がこもってるバージョン」
 
「音がこもってるバージョン」の作り方。
 
フィルターを使う。
300〜400Hzぐらいまで高音を削る。
すると、こもった感じに。
そしてLFO機能を使ってちょっとうねりをたす。
速さは1/16。
 
はい上ネタ完成!
 
 

ベース

まずベースの音色。
このベースは太いけど中高音がなくて丸い感じ。
 
なので、まず倍音の多い波形(ノコギリ波、矩形波)を選ぶ。
次にフィルターで100Hzまでカット
はい、音色完成。
 
この曲のキーはE。
ベースのメロディ
 
AG♯F♯

f:id:tamaikosuke-rap:20200408182111p:plain

そしてベースは4小節中、最初の2小節だけ鳴らす。
(
それがいいよね。
さっきのドラムのとこで説明したような波の意外性がある。
「最初ベース鳴ってたのに、あれ?ベース次ない…」みたいな
)
 
はいベース完成!
 

曲の展開

展開は以下。
 
上ネタの2バージョンの組み合わせと、ドラムの抜き差しでバリエーションを作ってる。
 
ポイントはドラムの抜きどころ
J.Coleのところでも説明したけど、ドラムの抜きどころだけでトラックは劇的に変わる!
この曲はキックドラムだけ抜いたり、ドラム丸ごと抜いたり…
かっこいい抜き方研究しよう。
 

おさらい

・「波で考える」ドラム
・おしゃれな上ネタ
 
これはいろんなトラックに応用できる!
色々やってみよう!
 
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▼「〇〇っぽい曲の作り方」シリーズ
BAD HOP/Kawasaki Driftっぽいトラップの曲の作り方
 
▼玉井幸助(タマイコウスケ)って誰?
京都府宇治市出身。
ラッパー、トラックメイカーとして「タマイコウスケ」名義で音楽家の活動。
6才でピアノを始める。以後、ギター、ベース、ドラムの演奏。高校時代にロックバンド結成。
16才でラップと作曲を始める。初めての機材はMPC1000。
大阪の梅田のサイファーで10年弱フリースタイルラップの技術を磨く。
2012年渡米。以後、アメリカ(ニューヨーク、LA)、フランス(パリ)、ドイツ(ベルリン)、イギリス、中国、香港、ミャンマーキューバ等、世界各地でパフォーマンス。
2011 BBOY PARK under 20 準優勝。
2019年、Creepy NutsR指定もメンバーの梅田サイファー「Never Gets Old」参加。
 
帝塚山高等学校卒業。
自学でセンター試験平均91点獲得。
大阪芸術大学の映像学科へ。
日本ドキュメンタリー映画第一人者の「原一男」に師事。その後休学。
京都から沖縄まで野宿しながらの徒歩旅行をキッカケに退学。
2016年ソフトバンク大学入学。3ヶ月で自主退学。
2017年イギリスのオックスフォード大学に訪問。
 
作家として活動。
旅、読書術、お金、記憶術などについての本を出版。
著書10冊。
主著に「だから仕事がつまらない」「速旅多旅」等。
 
また読書好き。多いときは月4000冊読む。
速読講師の経験あり。
今、好きな作家は、東京大学法学博士で社会学者の小室直樹さん。
 
旅好き。
今まで世界18カ国に旅行・滞在。
初めての旅は高校時代に鈍行列車で行った熱海旅行。
初めての海外は2012年のアメリカ横断(LAからニューヨーク)。
2012年に地元の京都から沖縄まで野宿と徒歩で旅行。
以後、アメリカ、フランス、ドイツ、キューバ等、様々な国で野宿旅。
2017年に世界一周。
 
自身の知識、経験を活かして、人生をより自由に生きるための情報をYoutube等で発信中。